藤居 仁 / FUJII Hitoshi
fujii @ cse.kyutech.ac.jp

九州工業大学情報工学部
電子情報工学科
応用電子システム講座 教授 工学博士


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   レーザーで眼底血流を観る
 【雑誌 O plus E 1997年4月号「一枚の写真」より再録】 トップ

 レーザースペックル現象の研究を始めたのが北大の学部生の時だから、もうすぐ30年になる。「スペックル?何それ」と、いまだに知名度の低い研究テーマに取り組んでから、その独特な、見ているだけでいらいらしてくるような、もっとも面白くなさそうな斑点模様の研究を延々と続けてきて、やっと取り出したもっとも面白い映像が この写真(104K) である。これはヒト(私)の眼底の血流マップで、赤く見える多数の筋は、視神経乳頭から四方に広がる網膜血管内の血流速度(相対値)を示している。幸い今のところ、先の方まで真面目に循環しているように見える。 測定原理を大まかに言えば、近赤外の半導体レーザーで眼底を照明し、結像面に発生したスペックルの時間変化率を各画素ごとに算出して、マップ状に表示したものである。我々の研究仲間は、私以外はみな眼科医で、この血流画像化システムをレーザースペックルフローグラフィー(LSFG)と名づけて、深く静かに研究を続けている。以前は血流マップをパソコンのソフトウエアで計算していたが、最近はハードウエア演算ボードを開発して高速化し、毎秒16コマのリアルタイム血流画像をカラーディスプレイ上で観測できるようになった。自分の心臓の鼓動に合わせて、この赤いラインが走るさまを見ていると、”僕らはちゃんと生きているー”と、つい鼻歌も出てくる。
 今のところ一回に測定できる面積は2mm四方程度で、写真の一つの四角形がそれに当たる。これらひとつひとつの画像をビットマップファイルにしてつなぎ合わせたのが この写真(104K)で、右側が最高血流時、左側が最低血流時のマップである。最近は近赤外光で測定部位を観察するようになったが、このデータを取った時はまだ相当眩しい頃だった。しかも一回の測定には数秒かかり、その間は視線を動かすことができない。ということで、この写真を作る時の被験者の献身的努力がいかに絶大であったかをご想像願いたい。眼疾患の予測ができないか、高血圧症や糖尿病の診断に使えないか等々、この写真を見ていると、夢だけは果てしなく広がるのである。

なおこのような画面合成は、群馬大学の木村先生、磯野先生らが先に試みておられます。そちらも正に労作です。当時は一枚ずつ手動で繋ぎあわせていましたが、最近は一回の測定で観察できる面積が飛躍的に増え、視神経乳頭から黄斑部までの血流マップが動画で観察できます



小西 直樹 / KONISHI Naoki
konishi @ cse.kyutech.ac.jp

九州工業大学情報工学部
電子情報工学科
電子情報基礎講座 助教授 博士(情報)


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   研究分野: 医用電子工学
 キーワード: レーザー応用計測 医用生体計測 トップ

【発表論文・著書・知的所有権など】
・New Laser Speckle Flowgraphy System Using CCD Camera, Optical Review, 9, 163〜169(2002)
・レーザースペックルフローグラフィーの時間分解能に関する検討,光学, 31, 39〜43(2001)
・LSFGにおける新しい血流解析手法, 視覚の科学, 20, 34-39(1999)
・Real-time Visualization of retinal microcirculation by laser flowgraphy, Optical Enginnering, 34,753-757(1995)
【担当授業科目】
プログラミング 電子情報工学実験I



李 旻哲 / LEE Min Chul
lee @ cse.kyutech.ac.jp

九州工業大学情報工学部
電子情報工学科
応用電子システム講座 助手 博士 (情報)


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   研究分野: 医用画像計測 レーザー応用計測
 キーワード: レーザー応用計測 血流画像化 トップ

【発表論文・著書・知的所有権など】
・Min-Chul Lee, Naoki Konishi and Hitoshi Fujii:Blood Flow Analyses of Skin Tissue Under the Sacrum Using Laser Speckle Flowgraphy, Opt. Rev. Vol.10 No.6:562-566,2003.
・臀部皮膚血流画像化システムの開発. 日本褥瘡学会誌, Vol4, No3:384-389(2002).
・LSFGシステムにおける固視誘導. 視覚の科学 21:87-91(2000).
【担当授業科目】
情報工学基礎実験II

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